【 中学聖日記_妄想 】#154. 結婚式も終盤へ・・・*

中学聖日記_妄想

僕の願いはあの時から変わることはなかったーー。
ただ1人の人を愛し続け、
誰にも言えない秘密の夢をずっと抱えていた。
ーーー周りには諦めたと見せかけて、
本当はいっときも忘れていなかった君との結婚をずーと夢に描いていたんだ。
ーーーだから今この瞬間もこれが夢なんじゃないか、
と思うほどに。

*

結婚式は本当にあっという間に過ぎていき、ハッと意識を戻すと僕の愛しの聖ちゃんがこちらを向いてどうしたの?とでも言うようにキョトンと見ていた。
僕は何でもないです、と伝えるかのように彼女に微笑み返した。

「さてウエディングパーティーもいよいよお開きの時間が近づいてまいりました。
ここで、新婦の聖さんよりお礼のご挨拶がございます。」
聖ちゃんが1番悩んだ両親への手紙。
書きたくないと言っていた始め、何とか説得して書く方向に向かったものの・・・。
書いては捨てて、書いては消してを繰り返しながらも約1ヶ月以上かけて完成させていたのを僕は見ていた。
ーーーあの時僕には言わなかったけどきっといろんな想いや葛藤があったんだと思う。
涙を浮かべながら完成させた日を僕はきっと忘れないだろう。
「聖さん、よろしくお願いします。」
司会者さんの言葉と同時に僕たちは立ち上がり遠くに立つ両親と反対側の位置に立った。

聖ちゃんが緊張しているのが分かるー。
小刻みに手が震えている、大丈夫、僕が付いているから。
絶対に大丈夫、そう信じて僕は彼女にガッツポーズをしてエスコートした。

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