【 中学聖日記_妄想 】#61. 出産までのカウントダウン!

中学聖日記_妄想

僕は聖ちゃんが胎動に耐えている時、
不安になることが増えた。
ーーーこのまま聖ちゃんが消えてしまうんじゃないかって。
それくらいしんどそうだったから。

*

朝起きるといつものようにお弁当が用意されていることに安堵を覚える。
聖ちゃんが台所に立って笑顔でおはようと言ってくれることにホッとする自分がいる。
聖ちゃんがいることがどれほど僕に力を与え安らぎを与えているのかーー、
これほどの大切な人に出会えたことに感謝する意味も込めて彼女を抱きしめる癖が1つ増えた。

昌
体調は大丈夫?
聖
うん、昨日は心配かけてごめんね。

聖ちゃんは無理をする癖があるから言葉だけではなく、
彼女の表情を見て僕は判断することを学んだ。

昌
体調に異変感じたらすぐに連絡くださいね?
聖
分かってるって。ほら、遅刻するよ、行ってらっしゃーい!

あまりにも僕がしつこいから、
最近は家から追い出される形で送り出される。

*

心配で仕事にも身が入らない僕は先輩にもからかわれる。
心配しても生まれるもんは生まれるんだから、と。
そしていつも言われる、「勿体ないなぁ。若いうちはもっと遊んだ方が楽しいのに。」と。
そういう問題じゃないんだけどなぁ、
出会ってしまったらそんなこと考えられなくなるのに。
だけど何かと僕の今の抱えてる仕事をフォローしてくるてるこの先輩には本当に感謝している。

この日もいつもと同じように部長と先輩と食堂でお弁当を食べていたーーーー。
だけどいつもはこの時間には鳴らないはずの僕の携帯が鳴った。

昌
ーーちょっと失礼します。

ご飯中に僕は上司たちに伝えて席を外して電話に出た。

聖
・・陣痛来ちゃったかもしれない。

僕が言葉を発する前に聖ちゃんの声が耳に届いた。
ーーー焦らない、冷静に。
なんども自分に言い聞かせてきた。
陣痛・破水が来ても冷静に対応すると両親学級で学んだはずだ。
でもそんなことうまくいかず僕の手は震え出した。
それを悟られないよう、僕は冷静に伝えた。

昌
まず病院に連絡して、すぐ帰るから。大丈夫だから。

僕は部長に事情を話してすぐに自宅に戻った。
職場から自宅への距離は片道30分弱、
その間祈るような気持ちでとにかく走って走って自宅に駆け込んだ。

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