【 中学聖日記_妄想 】#124. 恋愛相談*

中学聖日記_妄想

僕は早速会社に到着してから聖ちゃんと行こうとしているレストランの予約を入れた。
ーーー最近会社の近くに出来た夜景がすごく綺麗だと話題の場所だ。

*

聖ちゃんとの待ち合わせは7時にお店となり、
僕は仕事を残さないようにとにかく急いで一つ一つの業務をこなした。

無事に仕事を終わらせたのは18:30を過ぎた頃。
早く聖ちゃんに会いたい、その一心で会社を出ようとした。
「黒岩さん!少し良いですか?」
そういう時に限ってどうしていつも邪魔者が入るんだろうかーーー。
僕と聖ちゃんはそういう運命なんだろうか。
「ちょっと急いでるけど、何か用?」
彼女は同じ開発部にインターンで来ている大学3年の子だ。
僕と仕事内容が異なって接点は全くなかったけど歓迎会をした時に少しだけ僕と同じ歳だと言う彼氏との相談を受けた。
それから何度かランチタイムに相談を受けたけどこうして呼び止められるのは初めてで僕自身も少し驚いた。

僕たちは会社の近くにあるベンチに腰掛けた。
「彼氏とのこと?」
あまり時間がない僕は要件を早くして欲しくて自分から問い掛けた。
「はい、昨日大喧嘩してしまって。何か・・・もう彼が私のことを好きなのか適当に付き合ってるのか分からない・・・。この年代の人はみんな適当なんですかね、私は遊ばれてるんですかね・・・」
一人で暴走しそうな彼女を僕はとりあえず止めることにした。
「何があったか分からないけど、まず二人で話し合った方が良いんじゃないかな?と思うけど。」
「それで別れ話になったら怖くて・・」
彼氏のことがすごく好きなことは前々から伝わって来てる、
だからと言ってここで僕と話していても解決しないと思うからこそ言ってるんだけどーーー。
本当のところなんて直接話さないと分からないことが多いんだから。
「それでもきちんと彼氏と向き合った方が良いよ、後悔しないためにも気持ちは伝えた方が良いと思う。」
僕は無意識に彼女の肩に応援の意味を込めて手を乗せた。
ーーー自分に好意を寄せていない人が目の前にいると、人はこうも無防備にもなるんだ。
彼女は少し驚いた顔をしたけど先ほどまで泣きそうな顔をしていたのが少しスッキリした様子で笑顔も見られた。
「もう良い?今日は予定があるんだけど・・・」
少し元気になった彼女を見て僕は立ち上がった。
「はい、ありがとうございました!」
「頑張れよ!」
僕は彼女の頭に手を添えた。
僕がまだ高校の時ーーー、
聖ちゃんと再会する前に付き合っていた女性と僕はきちんと向き合うことを拒んだ。
その結果として彼女を傷つけた経験があるから、
恋愛で悩む人がいるなら相手が耳を傾けてくれる人ならちゃんと向き合って話し合って欲しいと思う。

*

彼女と分かれ聖ちゃんとの待ち合わせ場所に向かう。
気に入ってくれるだろうか、
料理は美味しいのだろうか。
聖ちゃんと何を話そう。
そればかり考えていたのに1通のメールで僕の夢は砕け落ちた。

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