聖
黒岩くん、ここ駅だから、さっ?
僕の抱きしめる腕を昔みたいに必死に解こうとする聖ちゃん。
彼女の力ではどうこうできないの分かってるくせに。
聖
もう遅いけどちょっとどこかに行こうか?ご飯は食べた?
ぼくは彼女を解放して、
必死に何かを話そうとする彼女にこう答えた。
昌
ーーー聖ちゃんの家に行きたい。
*
「まだ片付け出来てないけど、どうぞ」
聖ちゃんは意外にもすんなりと受け入れた。
聖ちゃんが入れてくれたコーヒーを飲みながら、
ぼくはただ聖ちゃんが隣にいることが嬉しくてずっと見つめていた。
聖
ーーー黒岩くん、この前はゴメンね。わたし、黒岩くんの気持ちとか何にも考えてなかったね。
昌
いえ、僕の方こそ連絡無視してすいませんでした。
そして驚くことに聖ちゃんから初めて・・
抱きしめてきた、それが僕は何よりも嬉しかった。
聖
ーーー黒岩くんが今日来なかったらもう諦めるつもりでいたの。
だからねあと10分って言い聞かせて待ってたんだ。ウケるよね(笑)自分でもバカだって思うけど、それだけ黒岩くんのことが私は好きなんだなって・・来てくれてありがとう。
だからねあと10分って言い聞かせて待ってたんだ。ウケるよね(笑)自分でもバカだって思うけど、それだけ黒岩くんのことが私は好きなんだなって・・来てくれてありがとう。
その夜、
僕は家に帰るはずもなく何度も何度も彼女を抱いた。
タイで彼女を抱いて以来、
久しぶりに彼女を抱いた。
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