しばらくして羽田空港に到着した僕は、先輩と分かれた。
本当は会社に一度立ち寄って報告書だけ提出しなければならなかったけど、
先輩の好意に甘えさせてもらうことにした。
*
母さんにもお礼を言って途中で分かれてから自宅に戻ると、僕はベットに突進した。
ホッとしたんだと思う、疲労感が半端なくてそのままの勢いで眠ってしまいそうだった。
そんな僕を見て聖ちゃんは苦笑いをこぼしながら、
子供たちを遊ばせながら家事を始めていた。
ーーー申し訳ない、そう思いながらも僕はスーツのまま夢の中に入った。
何度か・・

と起こされた気もするけど、僕は全く起きることが出来なかった。
僕が起きたのは夕方18時すぎーーー、正直にヤバイって思った。
寝過ぎた、そう思った。
横を見ればいつも子供達が寝ているベビーベットに澪も潤も既に寝ている、
僕は音を立てないようにそっとリビングに移動した。
*


僕がリビングに行くと聖ちゃんはちょうど育児日記を書き終わったところだったようで、彼女の隣に遠慮なく腰を下ろした。


彼女からのその問いかけに対して僕は苦笑いで返すしか出来なかった。
そんな時、僕の手に冷んやりとした触感を感じ視線を彼女の方にずらすと少し恥ずかしそうにして僕に微笑んでいる聖ちゃんが目に入った。
ただ手が触れているだけなんだけど、何かいつもと違う。
普段慣れているはずの聖ちゃんの手なのに、この胸のドキドキは何なんだろう。
どうかこの心臓の音が彼女に聞こえませんように、そう願うばかりだった。

そう僕に告げた彼女が手を離した時、僕は自身の手の中に小さな紙袋を掴んでいることに気が付いた。
中をそっと開けてみると小さな貝殻が3個入っていた。


僕の手から貝殻を取ろうとしたのは予想が出来たので、そうされる前に僕は自分の手を引っ込めた。

僕がそう伝えたことで聖ちゃんはすごく嬉しそうに微笑んで、また愛しく感じた。



なんかーーー、僕は急に聖ちゃんが愛しくなって早急に抱きしめた。



何がなんだか分からない彼女をぼくはもう一度強く抱きしめた。
本当に何だか分からないけど、
自分でも分からないけど聖ちゃんが愛しくてたまらなかった。
福岡に大変な中でも会いに来てくれたり、
大切なパーティーだからと一緒に出てくれる。
一方で変な情報で不安になって心を乱されて、僕の一言で安心する。
それだけじゃない、
普段では見られない公の場なのに僕に抱きついて来たり・・・
僕は福岡で聖ちゃんからの愛をたっぷりと感じることが出来た。
彼女からのありったけの想いをもらった。
だからーーー、次は僕の番だと思う。
僕が・・・
僕の想いを聖ちゃんに届ける番なんだと思う。
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