【 中学聖日記_妄想 】#123. 子から父へ・・・*

中学聖日記_妄想

眠っている聖ちゃんを見て僕は不安になった。
久しぶりに感じるこの感覚、
胸騒ぎを覚えた。

*

僕が聖ちゃんに中学時代に渡したハチマキ、
今でも大切に保管してるのは知ってる。
だけど最後にそれを出したのは聖ちゃんが流産して直後、僕が実家に泊まりに行こうとしたから。
彼女は何も言わなかったけど本当は寂しさを感じたから僕の温もりを感じたかったとあの時言っていた。
ーーーその事があったから僕は今、聖ちゃんに寂しい思いをさせているのだろうか?
と不安が襲って来た。
「そんな事ないよ。」
僕が聞いてもきっと彼女はこう答えるだろう、
僕には分かる。
きっと前までの僕ならそのまま流していたと思う、
だけど前以上に聖ちゃんの言葉の裏を分かるようになった今は先延ばしにはしたくない。

そんなことを考えながらテレビを見ていると、
チョコンと僕の横に座ってくる気配を感じた。
ーーーまさかの潤だった。
寝ぼけていて自分でも何が起こってるのか分からない状態で、
僕の方にニコッと笑うとそのまま膝枕する形となって眠りにつき始めた。
いつもは僕と聖ちゃんの取り合いをして僕の前では泣いてばかりの彼だけど、
やっぱり赤ちゃん、
僕の子だからーーー。
本当に愛しくて僕はその存在を眠らせるように撫で、
眠ったのを確認して抱き上げてベッドに移動させた。
ただなぜ自分でベッドから降りて僕の横に来たのか分からないーーー。
僕の心を読んで「大丈夫?」とでも言われ、
慰められているようにも感じた。

*

聖
ごめんね、わたし・・・朝まで寝ちゃったみたいで・・・

僕は前日の夜のことを聖ちゃんに話していた。
そんな事があったのも知らなくてすごい反省の色を見せていたけど何も反省する事なんてない。
僕たち2人の子だから、
2人で育児するものなんだから。

昌
僕は帰る場所があって、そこに家族がいる事が幸せなんで全然大丈夫ですよ。それより・・・聖ちゃんは?
聖
わたし?

本当はこの場で話を出そうと思った、だけどいつ邪魔が入るか分からないから僕は一つの提案をした。

昌
ーーーそれより今日、夕飯を食べに行きませんか?
聖
仕事は?(笑)
聖
残業は絶対にしません!子供たちを母さんに預けるように伝えておきます、だから久しぶりに僕とデートをしてくれませんか?

その言葉が少し恥ずかしかったようで、
俯きながらコクッと返事をしてくれた。

僕は聖ちゃんと夜の街を歩くーーー。
再会して想いが通じ合ってからもあまり歩く事ができなかった街を、
久しぶりに2人で歩く。
子供たちがいない2人の時間も大切だとぼくは思う。
どこに食べに行こうか、
変にオシャレだと話しにくい。
ガヤガヤしすぎても困る。
僕はまた向井さんに相談して程よい感じのお店を見つけた。

ーーー聖ちゃんに不安があるなら聞いて誠意を伝える。
もし何もなかったら、
それはそれで良いじゃないか。

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