【 中学聖日記_妄想 】#62.ついに・・・*

中学聖日記_妄想

僕は走ったーーー。
これでもかってくらい走り続けた。

*

昌
聖ちゃん!

僕が自宅に駆け込んだ時、
聖ちゃんは台所にしゃがみ込んでいた。

聖
・・・痛いよ・・・

今にも泣きそうな弱々しい声で言う聖ちゃんにどうしてあげることも出来ずに僕はただ側に寄り添うことしか出来なかった。

昌
病院に行こう。ーーー掴まって。

僕は聖ちゃんの腰に手を回して全身で支えるようにゆっくりと歩き始めた。
いつ何が起きても大丈夫なように事前に用意しておいた入院バックを片手に持って家を後にした。

聖
うっ・・・

その間に時折襲われる陣痛の痛みに聖ちゃんは耐えられなく何度も何度もしゃがんでは僕は腰をさすり続けた。
どんな言葉をかけたら良いのかも分からなくて、
ただ僕はさすり続けた。
そして聖ちゃんを支えている方の僕の右手を聖ちゃんは未だかつてないくらいに強く握って来た。
ーーーそれは痛みに耐えている証拠だった。

車で10分、
病院に到着してすぐに診察が行われた。
僕は外で待ってる間ひたすら祈り続けた。
どうか母子ともに無事であるようにーー、と。
だから自分が涙を流してることにも気がつかなかったけど、とにかく必死で祈った。
しばらくして出てきた先生からの話ーーー。
「まだ30w手前で産むにはもう少し頑張ってもらいたかったんですが痛み方が尋常ではないことと、赤ちゃんの心拍が少し落ち始めてしまっているので予定していた日より早めの帝王切開となりますがよろしいですか?」
「もちろんです!よろしくお願いします!」
そうーーー、
聖ちゃんは双子妊娠だったから元々30wに入ったら入院する予定だった。
もともと帝王切開の予定で計画もされていた。
だから、予定が早まっただけだ。

外で手術が終わるのを待っている間、
僕は母さんに電話した。
「晶?どうしたの?あんたから電話して来るなんて明日雪でも降るんじゃないの?」
「・・・忙しいところゴメン。聖ちゃんが・・・今手術室に入った。」
「えっ?」
「予定より早く陣痛が来ちゃったみたいで、今手術室に・・・」
「泣いてる場合じゃないでしょ!しっかりしなさい晶!あなた父親になるのよ!」
母さんの言葉で自分の涙で最後まで言葉が言えてないことに気がつく。
「ーーーゴメン。」
「母さんも今から行くから、ちゃんと彼女が目を覚ました時に側にいてあげなさい。」
そして電話は切られ、
俺は待合室で目をつぶりただ無事に生まれるよう、
聖ちゃんが無事に戻って来るように祈り続けた。
そして程なくして・・・
「オギャー!」
ととても元気な産声が僕の耳にも届いた。
それと同時に看護師さんが手術室から出てきて僕の前に立ち伝えてくれた。
「おめでとうございます、元気な男の子と女の子ですよ!」
「ありがとうございます。妻は・・・?」
「大丈夫ですよ、奥様も中で号泣してます(笑)赤ちゃんはちょっと早めの出産となってしまったのでNICUに入って様子を見させてもらいます、でも大丈夫ですからね。」
そう言ってまた手術室に消えた。

ーーー生まれた。
僕と聖ちゃんの赤ちゃんが。
僕たちの愛の結晶が。

まだ15の僕には考えられなかった、
聖ちゃんとの子供が出来ることを・・・
ただ漠然と先生と結婚する、
それだけしか考えていなかった。
僕の初恋が・・・
初恋の人との子供にもうすぐ会える。
もう人の目なんて気にせず僕は1人で嬉し涙を流して、
自分を落ち着かせてから病室へと向かった。

 

ついについに晶と聖がパパになったよ♡
書いてて私が嬉しくて泣きそうでした( ´ ▽ ` )
叶うと思ってなかった初恋、
引き離された恋、
諦めなかった気持ち、
やーとだね・・・
晶、本当に良かったね!
と母さんの気持ちですよ(笑)
今後は家族4人になります、
この妄想ストーリーが続く限り4人は出て来ることになるのでよろしくお願いします♡

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