【 中学聖日記_妄想 】#5. 大切な人!

中学聖日記_妄想

ーー聖ちゃんと喧嘩をして2週間、
僕からは連絡出来ずにいた。
もちろん聖ちゃんからも来ない。
普段二週間連絡取らなくても穏やかに過ごせるのに、
どうして気持ちが不安定な時は長く感じるんだろう。
聖ちゃんも同じ、だと僕は信じたい。

*

「まだ会う気にはなれないかな?ーーーどうしたら許してもらえる?」
聖ちゃんからメールが来たのはそれから間もなくしてのこと。
“ 僕も会いたいです “
この言葉が言えればどんなに楽なんだろう。
「今日、仕事が終わったらあの夏の海で待ってます。」
返事に困っていた僕は、
続いて来た聖ちゃんのメールにも返事が出来なかった。

僕はヘタレ、そして頑固だーー。
こんなにも大好きなんだから許してあげれば良い。
聖ちゃんには彼女の考えがあってこその行動だったのに、
僕は自分の気持ちだけぶつけて逃げた。
ーーーあれだけ父さんに逃げるな、と言われたのに。

人は皆言う、23歳は若い、と。
もっと人生楽しめ、遊べ、と。
だけど僕はたった1人の星を見つけて、
長い年月をかけて手に入れたんだ。
何をしてでも迎えにいくと決めて五年、
ひたすら頑張ったんだ。
簡単に手放してたまるか、
若いとかそんなの関係ないんだ。
僕には15歳の初恋のあの日から、
聖ちゃんだけなんだから。

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