
聖
今日から仕事が始まります。黒岩くんもお仕事頑張ってね。
僕は普段滅多に来ない聖ちゃんからのメールを、
嬉しいはずの彼女からのメールを見て閉じた。
ーーー少しはこっちの気持ちも分かって欲しい、そう思ったから。
結局ぼくは歳を重ねただけで、15の時から何も変わってない。
ただただ聖ちゃんが好きでーーー、
想いが強くなるほど相手が見えなくなる、
*
ぼくはひたすら聖ちゃんからのメールを無視した。
大人気ないと自分でも思うけど、思い出すだけでイライラする。
少しでも連絡を取ってしまったらきっと彼女に当たってしまう。

聖
ーーー黒岩くん。
なのにどうして会いたくない時に会いに来るんだろう。

昌
何してるんですか?
ぼくは自宅前に立つ聖ちゃんに驚きを隠せなかった。

聖
突然来てごめんね。連絡しても一方通行だからきちんと話をしたくて会いに来たの。迷惑だったかもしれないけど・・・

昌
普段連絡して来ないのにここ最近はマメだなって思ってました!おれーーー、そんなに頼りないですか?

聖
そんなことない!
今回のことはお母さんに直接会って話をすることの方が先だって思ってた。
今回のことはお母さんに直接会って話をすることの方が先だって思ってた。

昌
ぼくたちって何なんですか?
「えっ?」と聖ちゃんは顔を上げたから僕は続けた。

昌
好きになって8年、やーと周りに反対されることもなく一緒に居られるのに。なのに滅多に連絡も取らない、肝心なことも言わない、これって付き合ってるって言えるんですか?
ーーー今日は帰ってください。オレ、多分もっと聖ちゃんを傷つけちゃうから。
頭冷やしたいから帰って。
ーーー今日は帰ってください。オレ、多分もっと聖ちゃんを傷つけちゃうから。
頭冷やしたいから帰って。

聖
ーーー分かった。突然来てごめんね。また落ち着いた頃に連絡待ってるね。
聖ちゃんは悲しそうな顔をして、ぼくの目の前から立ち去った。
*
大人気ないと自分でも思う、でも悲しかった。
同じ気持ちでぼくと繋がってくれていたと思ってた。
ーーーでもそれは僕の思い過ごしで。
自分だってどうやってこの気持ちをコントロールしたらよいのか分からないーーー。
本当に女々しくて気持ち悪い、
たった1人の人にだけ。
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