僕のお色直しは簡単に終わったーーー。
これも打ち合わせの時にすごく悩んだ。
ウェディングドレス一本で行くか、
和装洋装の両方を着用するかーーー。
最後の最後まで悩んだけど結果的に僕たちは洋装一本で行くことを決めた。
*
お色直しのドレスーーー。
僕のタキシードは大きな変化もなく真っ白なタキシードだった。
だけど聖ちゃんはーーー、
とても可愛らしい水色のドレスを着用していた。
胸元は本物のお花で造られ覆われているかのように見え、ドレス部分もカクテルドレスとは思えないほどの上品さを持っているドレス。
華奢な彼女にとても似合うドレスだと僕は思った。
服装に無頓着な僕でさえ素敵だと思うドレス、
だから会場に再登場した時の招待客のほとんどが聖ちゃんに釘付けだったのは言うまでもない。
ーーーそんな僕は優越感に浸り、なんだか胸がくすぐったかった。
式は順調に進んだーーー。
シンプルな式にしたい、という聖ちゃんの希望を叶えて僕たちは余興というものは取り入れることはしなかった。
ーーーそして式も終盤に差し掛かり、あっという間に終わりが見えてきた。
「ここで突然ではありますが、新郎新婦の共通の知人であるワタクシ九重よりお祝いの映像を流させていただきたいと思います!」
突然司会者のマイクを奪い指揮を取り始めた九重に従うように映像が流れ始めた。
そこに映し出されたのは小星平中学の同窓生のみんなだった。
「結婚おめでとうございます!」
「まさか本当に結婚するなんてなー!」
「俺たちの聖ちゃんを黒岩ー!幸せになれよ!」
など当時では考えられなかった人たちからのお祝いの言葉が続々と・・・。
式には呼べなかった同級生たちからの言葉は本当に心に響いて沁みて涙を流さずにはいられなかった。
隣の聖ちゃんも同様に嗚咽を鳴らして涙を流していたーーー。
だから僕はみんなからは見えないようにそっと彼女の手を握り締めたんだ。
・

一呼吸置いてから聖ちゃんがボソッと呟いた。

聖ちゃんを見ると先程の涙はなく九重の方を向いて一礼して微笑んでいた。
僕は彼女の手を強く握り締めて伝えた。


そう言って彼女は僕の手を強く握り返した。
ありがとう、ありがとう、
僕は感謝しても仕切れないくらいの気持ちを込めて同窓の来てくれているみんなにお辞儀を返した。
本当にカメさん更新ですいません!
描きたい気持ちはあるんだけどね、本当に。
あと数話で完結予定です!
ここまで読んでくださった方、あと数話見守ってくださると嬉しいです♡
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