【 中学聖日記_妄想 】#70. 父さんの家*

中学聖日記_妄想

久しぶりに来た父さんの家は前と大きく変わっていることに僕も聖ちゃんも驚きを隠せなかった。

「驚いただろ?この家に赤ちゃんが来るなんて初めてだから母さんに電話して聞きながらこの部屋を作ったんだよ。」
「ーーーこのベビーベットはお父さんが?」
「気に入ってくれると良いんだけどね。」
「すごく素敵だと思います!」
大幅に父さんの家が変わったのは、
前まで作業場としていた場所が洋間になっていて、そこが子供部屋化していたことだ。
父さんが作った双子用のベビーベット、
そこに熊のぬいぐるみとウサギのぬいぐるみがそれぞれ置いてあった。
これはきっと母さんの趣味だとぼくは思う。

聖ちゃんは嬉しそうに用意されたベビーベットに子供達を乗せて、
潤と澪も興味津々に用意されていたぬいぐるみを触り始めた。
聖ちゃんも子供達の楽しそうな姿を見ながら、
幸せそうにベビーベットに手を掛けた。

ぼくと父さんは3人の邪魔をしないよう、
そっと部屋を後にした。

*

「夕飯は寿司で良いか?」
「僕は良いけど、島のみんなは良いの?」
てっきり島のみんなを呼んで食べるものだと思ったから父さんからの発案に少しだけ驚いた。
「まだ潤くんも澪ちゃんも小さいんだ。知らない土地に来て知らない人たちに囲まれたらただでされ慣れない環境なのに疲れてしまうだろ。島のみんなはまた今度お前たちから会いに行ってやれ。」
「ーーーありがとう」
「それより・・・」
ぼくを見て父さんがニヤッと君悪く笑うから鳥肌が立った。
「何?」
「先生、ベッピンになったなぁ(笑)初めて連れてきた時は若いお嬢さんっていう感じだったけど、今は女性になったなぁ。」
「・・・父さん・・・」
ぼくの白い目線が感じたのか、
「冗談、冗談だよ(笑)ひぇ、こわっ!誰に似たんだか・・・(笑)」
そう言って父さんは消えた。

僕が子供部屋に戻ると、
旅の疲れからか先ほどまで遊んでいたはずの子供達も気持ちよさそうに眠っていて、
それを幸せそうに背中をトントン叩いてる聖ちゃんの姿が目に焼き付いた。

ーーーぼくはそんな聖ちゃんを、
久しぶりに・・・
かなり久しぶりに後ろからギュッと抱きしめた。

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