聖ちゃんが潤に授乳をしている間に、僕はシャワーを浴びてくつろぎ始めた。
潤は澪に比べると夜泣きが多く、
一度泣くと1時間は戻ってこない。
*
僕はニュースを見ながら彼女が戻ってくるのを待つことにしたんだけど・・・
いつもと同じパターンでテレビを見ながらソファに眠ってしまった。
僕の悪い癖だと思う、横になってテレビを見ると寝落ちしてしまうのは。
何度か聖ちゃんに起こされる記憶はあるんだけど意識は遠のいて、
彼女も諦めて僕にブランケットをかけて自身は寝室にいつも行く。
今日こそは・・・待っていようと決めたのに結局寝落ちしてしまったことに夜中目を冷ましてハッと気がついた。
ただーーー、
今日はいつもなら寝室で寝ているはずの聖ちゃんが僕の手を祈るように両手で握って側に寄りかかって眠ってた。
ーーーただでさえ子供達の夜泣きで寝不足なのに、
こんな体勢で寝ていたら疲れが取れないだろう。
その姿を見て申し訳ない気持ちになったけど、少しだけ嬉しかったりもした。
僕は彼女を抱き上げてお姫様抱っこをしてーーーー、寝室に運んだ。
眠りが浅い聖ちゃんだけど、
僕が抱き上げても起きないのは相当疲れが溜まっている証拠なんだと思う。
彼女を寝かせてから僕も横になり、しばらく彼女の眠っている姿を見ていた。
ーーーしばらくしたら僕自身、眠っていた。
*

僕が起きるとスッキリした顔で聖ちゃんは話しかけてきてくれた。





聖ちゃんはどこに行きたいとは言わなかったけど、話の流れからして僕も一緒に行くってことなんだと思う。
でもどこに行くんだろう、
僕には見当もつかなかったーーー。
そして彼女は覚えているんだろうか、次の週が花火大会だということを。


聖ちゃんは卵焼きを作りながら楽しそうに受け答えしてくれている。



昨日聖ちゃんに僕の不安を打ち明けたことで少しスッキリしたけど、
やっぱりどこか晴れない自分がいるのも嘘じゃなかった。
ーーー悩んでも悩んでも答えが出ないことだって分かっているのに僕の頭にはどうしても「聖ちゃんを誰かに取られてしまう」という不安が強すぎて・・・
だから彼女の一つ一つの言葉が本当に嬉しかった、
その小さな言葉や行動がどれだけ僕を元気付けてくれたか、感謝しても仕切れない。
僕の変な不安のせいで彼女に心配かけてはダメだと、
僕自身も思い出せば振り払うようにこの1週間は過ごしていたと思う。
だからーーーー、本当に幸せだった。
彼女が、彼女からの言葉が。
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