次の日を迎えた月曜日、
いつもと変わりない聖ちゃんに安心を覚えた僕はいつものように仕事に向かった。
*
僕はまだ入社3年目、
先輩たちより先に出勤してその日の業務を一通り目を通してから僕の仕事が始まる。
朝イチのミーティングが終わって、
昨日のお礼を先輩たちに言われると何だか胸がくすぐったかった。
多分僕はどこかでいつも引け目を感じていたーーー。
結婚してからもどこかで先生と生徒だった時に応援してもらえなかったトラウマが残っていて、
学生時代の友達はもちろん、
聖ちゃんと共通の知り合いを自宅に呼んだことはない。
どこかいつも聖ちゃんに対して遠慮していた部分があるんだと思う。
だからーーー、
僕と聖ちゃんのことを知らない誰かがこうやって家に来て感謝してくれるということがとても嬉しかった。
だからこそやっぱり聖ちゃんとのことはきちんとケジメをつけなければならないんだな、と思った。
このままでは聖ちゃんにとっても申し訳ないし、
僕がこんな気持ちでいることを知ったら聖ちゃんは悲しむと思う。
やっぱりきちんとみんなに応援されるべきなんだ、
そう強く思った。
*
この日はここ最近にしてはかなり遅くまでの残業で、
僕が帰宅した頃はもうみんな夢の中だった。
お風呂に入る前に子供たちの顔、をと思って寝室に足を運んだだけでまさかの潤を起こしてしまう失態を起こした。
ーーー潤はかなり敏感な子だと俺は思う。
ほんの少しの変化にかなり弱いと関わる中で感じた。
ーーーごめん、起こすつもりはなくて・・・
潤を起こしてしまうといことは必然的に聖ちゃんをも起こしてしまうことになる。
ただ救いはどんなに潤が泣いてても澪は夢の中だということ。
おかえりなさい。遅かったね。
眠い目をこすりながら潤におっぱいを与え始める聖ちゃんを見て申し訳なかった。
今日はちょっと遅くなってしまいました。潤と澪に変わりはなかったですか?
うん、いつも通りでした。
聖ちゃんのおっぱいでコロッと眠りに落ちた潤を横にして少しだけ僕たちは話した。
なんかーーーワンオペさせてごめん。
私の仕事はこの子たちを育てることですよ。晶くんは外で働いてきてください(笑)
聖ちゃん、週末、気晴らしに出かけてきたらどうですか?週末なら僕、2時間くらいなら見てられると思うし・・・
僕の提案に少しびっくりした聖ちゃん、
少しだけ寂しい顔をしたのを僕は見過ごさなかった。
・・そうだね。
毎日疲れてると思うから少しだけでもゆっくりして欲しいです。
ありがとう。とりあえず今日はまたいつ起きるか分からないから今日はもう先に寝かせてもらうね?
おやすみ、聖ちゃん。
僕はみんなが寝る寝室を後にした。
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