【 中学聖日記_妄想 】#145. 着々と・・・*

中学聖日記_妄想

聖ちゃんを抱いている間ーーー、
何度も彼女は僕に「ありがとう」とお礼を言った。
そんな彼女を抱きながら、僕は感情が昂った。
ーーーお礼を言うのは僕の方だよ。
そんな気持ちを込めて僕は彼女をたくさん抱いた。

*

月日は流れ、季節は9月ーーー。
暑かった季節も過ぎ、肌寒い季節へと移り変わっている。
秋の知らせをするかのように、
子供たちを連れていく公園には銀杏のほろ苦い匂い、
そして紅葉を感じさせる色とりどりのイチョウの木が目立ち始めていた。

「ではメインのお肉はSランクへのご変更をさせていただきますね。」
外を出歩くには気持ちが良いこの季節に、
僕と聖ちゃんの結婚式への準備も着々と進み始めていた。
この日は担当の吉田さんと初めての打ち合わせで、まずはお料理決めだった。
試食会の時に2人で決めてあったので、
お料理に関しては事前に吉田さんに連絡をさせてもらっていた。
またこの日はテーブルセットの色合いだったり、お花のアレンジだったり、
衣装決めの日程だったりも内容が盛り沢山だった。
みっちり3時間半の打ち合わせ・・・正直疲れた。

正直言って・・・
結婚式をすることがここまで時間を費やし労力をも使うものだとは思ってもなかった。
何度か友人の結婚式に参加したことはあるけど、
その裏にはこんなにたくさんの労力が使われていたと思うと本当に尊敬した。
ただ衣装合わせなどブライダルエステなどを考える僕以上に聖ちゃんが大変なのは目に見えていたので彼女には何も言えなかった。

そして来週末までの宿題として出されたのは・・・
招待客リストの一覧を埋めて来ることだった。
正式な名前や続柄、そして席順を指定された紙に入力して来ること。
地味で簡単なようだけど、
結婚式での席は親戚の目もあるので結構ハードな作業だなと僕は感じた。

打ち合わせが終わってぐったりだったのは僕だけではないーー。
聖ちゃんも同じでお互いに口数が少なかった。
ホテルのラウンジで軽くお茶をしたけど・・・
会話が少なくて、お互いの顔から疲労感がにじみ出ていた。

聖
疲れたよね(笑)
昌
ーーー冗談でも疲れていませんとは言えません。
聖
初めてだとこうなるのかな?次回から少しずつ慣れていくのかな。
昌
だと良いですけど、聖ちゃんの方が来る頻度高いし僕はそれが心配です。
聖
私は大丈夫。ただお母様を巻き込んでしまっているのが申し訳ないかな。

そうーーー、
今日も子供達は母さんに預けて来た。
母さんの好意が1番大きいけど何よりも子供たちが懐いていることが預ける要因になっている。
「結婚式は一大事!2人で行きなさい、子供がいると決まるものも決まらない!」
と母さんは全面協力してくれるから僕は安心しているけど、
聖ちゃんは申し訳ない気持ちの方が強いらしいーーー。

昌
大丈夫ですよ、母さんは喜んで子守してくれていますから。
聖
ーーうん。衣装合わせの時は連れてこようかなとは思うけど・・・。
昌
そこは聖ちゃんに任せます!

少しの休憩を挟んで、
僕と聖ちゃんは子供達が待つ東京へと車を走らせた。

着々と進み出した結婚式の準備、
憂鬱なこともありそうだけど・・・
僕は聖ちゃんが隣にいてくれるから頑張れる気がした。

ーーーもう少しで僕の一つの夢が叶う、そう思った。

 

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