僕はどのくらい聖ちゃんに抱きしめてもらっていたんだろう。
プライドとか正直そんなのどうでも良くて、
ただ同じ立場になった今、この不安とどう戦えば良いのか分からなかった。
ーーーそういう意味では僕はまだまだ勝太郎さんには勝てないんだと思う。
*
聖
少しは落ち着いた?
聖ちゃんからの問いかけで俺はハッとして彼女から離れた。
昌
すいません、情けないですよね。男なのに・・・
聖
そうかな?私は時々見せてくれる弱音、好きだよ。
今日の聖ちゃんは何だかいつもよりも優しい感じがする。
それとも僕が少し心が乱れているからそう思うのか?
聖
あっ、このヒマワリ買ってきてくれたの??
わたし、ヒマワリのお花すごく好きなの。
わたし、ヒマワリのお花すごく好きなの。
昌
えっ、そうなんですか??
聖
うん、ヒマワリの花言葉って知ってる?
ヒマワリの花言葉はね、「あなただけを見つめる」って意味があってね・・。いつか一人の人に愛されたい、その人からヒマワリの花をもらいたいって思ってたんだ。それが昌君だなんてなんだか不思議だね。
ヒマワリの花言葉はね、「あなただけを見つめる」って意味があってね・・。いつか一人の人に愛されたい、その人からヒマワリの花をもらいたいって思ってたんだ。それが昌君だなんてなんだか不思議だね。
僕の返事を待つことなく聖ちゃんは語り始め、僕は彼女がタイに行く前に花屋で働いていたことを思い出した。
*
あの頃はーーー、まだ18歳でやっぱり自分のことしか考えられなかった僕は聖ちゃんに見切られたと思った。
どうしても会いたくて会いたくてあの時花屋に向かったけどーーー、
僕は彼女の姿を見て声すらかけられなかった。
辛いのは僕だけじゃない、
彼女も同じだとあの時に分かったからーーー。
*
聖
どうしたの??
彼女は当時の僕たちを思い出すことはないんだろうか。
昔に執着ばかりしているのは僕だけなんだろうか、そう思うとまた胸が苦しくてそれを悟られないように僕は彼女を抱きしめた。
昌
何でもないです。ただーーー、聖ちゃんが愛しくて、大好きだなって思って。僕はきっと来世に生まれても聖ちゃん以上に好きになる人は出来ないでしょうね。
聖ちゃんに出会えて良かったです、本当に大好きです・・・
聖ちゃんに出会えて良かったです、本当に大好きです・・・
ここ最近ではあまり口に出さなくなってしまった自分の気持ちを、
ありったけの思いを久しぶりに彼女に伝えた。
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