潤と澪を母さんに預けて、
2人の時間を持つことも家族にとって、
夫婦にとって大切だということを学んだ。
聖ちゃんもそれを感じているのか、
小さいことでも言い合ってた僕たちのケンカは減ったような気がする。
*
あれから1週間ーーー、
今日は僕が待ちに待った花火大会の日だ。
今日も僕たちは子供達を母さんに預ける、
母さんは僕の小さい頃と違う子供達を見るのが楽しみで仕方ないらしく、
聖ちゃんの浴衣の着付けもあるからと早く来いと急かされ僕たちは昼過ぎに実家にお邪魔した。
お昼ご飯をご馳走してすぐに聖ちゃんの着付けが始まってーーー、
終わったと思ったら休む時間もなく家から追い出される形となった。




聖ちゃんの言葉に納得した自分がいた。
確かに、今日は花火大会だから前回よりも明らかに遅いし自宅に戻るのが難しいかなとは思ってた。
母さんはきっとそれを分かっていたんだなって思うと、
やっぱりあの人には頭が上がらないと痛感した。
*
僕は聖ちゃんの手を取り、
それに彼女が微笑んだことで握る手を少し強くした。
ーーーあの頃はこうして手を握ることも許されなかった。
誰からも白い目で見られていたあの頃、
今は誰1人僕たちのこの関係に疑いの目を持つ者はいない。
たったそれだけなのに・・・
それだけのことなのに僕は嬉しくて仕方なかった。


お別れは名残惜しかったけど、
聖ちゃんがどうしても譲らなかった美容室の前で分かれた。
去年も確かそうだったーーー、
彼女は美容室で髪の毛をセットしてから来てくれる。
年に一度だから、と去年も言われたことを思い出す。
僕のためにーーー、そう思うと変態だと思われようが嬉しくて微笑が溢れ、
本屋にいた僕は必死で目の前にあった雑誌で隠した。
*

30分くらいしてから戻って来た聖ちゃんに僕は一瞬固まった!
髪の毛を下ろしている聖ちゃんもすごく似合うけど、
普段見ることがない着物を着て、
さらにアップにされている髪型を見て僕はドキドキが止まらなかった。

僕は本屋なのに興奮して大きな声で言ってしまい、
それにお互いに恥ずかしくなって二人でうつむきながら本屋を後にした。
幼稚園が夏休みに入り毎日お友達との予定が入っていたり、
娘にとって楽しい夏休みの思い出をと必死の母です(笑)
少しずつ落ち着いてきそうなのでまた更新頑張ります!
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