【 中学聖日記_妄想 】#78. 優しさを感じる時*

中学聖日記_妄想

澪と潤は比較的よく寝てくれる子達だとは思う。
彼らが深い眠りに入ったのを確認して、
僕は自宅に戻ったーーー。
ベットに横にしたらスイッチが入ってしまうことが多い2人だけど奇跡的にこの日は大成功だった。

*

2人が昼寝をしていた2時間、
僕は小星平の花火大会について調べたり、
また山江島天満宮について調べたりと、
普段聖ちゃんや子供達がいたら出来ないことを徹底的に調べた。

あっという間に時間は過ぎ、
僕は澪の泣き声で我に返った。
急いで寝室に向かうと、澪の大きな声で潤までもが目を覚ましてしまった。
ーーー焦らないで1人ずつで良いから。
という聖ちゃんの言葉を思い出し、
1人ずつオムツを替えて泣いても叫んでも1人ずつ抱っこした。
そして台所に急ぎ足で向かい、ミルクの支度をする。
子供達が泣いていることに慣れていないせいか、
ミルクを作る手は震えて失敗ばかり、
分量さえも分からなくなって結局適当に作ってしまった。
そしてーーー、
何よりも寝室に置いてきてしまった2人の鳴き声が僕を焦らせて途方に暮れていた時。
ーーー聖ちゃんが帰宅した。

*

玄関からバタバタと走ってきた聖ちゃんは、
挨拶する間もなく寝室に駆け込んだ。
ただ聖ちゃんが・・・
彼女が寝室に入っただけなのにその瞬間に子供達が泣き止んだ。
僕は自分の無力さを感じ、何も出来なかった自分への虚しさだけが残った。

2人が落ち着いたのを確認して僕は少し冷めてしまったミルクを持っていった。

聖

ーーーありがとう。

聖ちゃんは僕からそれを受け取って潤に飲ませ始め、
「もう一つ澪にあげてもらえる?」と僕に言ってきた。
さらに子供達にミルクをあげながら・・・

聖

パパとの時間楽しかった?パパたくさんやってくれた?パパと一緒に過ごせて良かったね、パパに感謝だね。

子供達に話しかけているのにまるで自分に言われてるようでーーーー。

 

ーーーボーとしてそうで勘が鋭い時がある聖ちゃん、
きっと僕のこの自己嫌悪の気持ちを察したのかもしれないと思った。

そんな聖ちゃんの気遣いと優しさに涙が出そうになった。

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