【 中学聖日記_妄想 】#40. 夢の国へ!

中学聖日記_妄想

早起きして行こうとしていたディズニーランド、
だけど僕はのんびり過ごしたくて彼女が寝静まった後に内緒でホテルの予約を取った。

*

見事に寝坊して午後過ぎに現地に着いた僕たちーー、
久しぶりのディズニーランドだから!と張り切る聖ちゃんを見て僕はなんだか幸せだなって思った。

中学の頃は恋なんて知らなくて、
恋を知ってから聖ちゃんしか見えなくて。
高校に上がってから聖ちゃんを忘れるために僕は好きでもない女性と付き合ったりもした。
女性にとってディズニーランドに彼氏ということは理想の1つなのかもしれない、と悟ったのは高校に上がったばかりの頃。
当時付き合い始めた彼女に誘われたディズニーランド、
でも僕は頑なに断った。
そしてすぐにその子とは別れた。

*

聖
聞いてる?
昌
えっ?ゴメン、何だっけ?

少し怒った口調で僕に問いかけた聖ちゃんの声で我に返った。

聖
何か乗りたいものある?

僕たちは午後からインしたにも関わらず、
比較的空いていたことも助かってほとんど待つことなくスムーズに乗れていた。

昌
乗りたいものはないですけど、夜のパレードは見たいです。
聖
それはもちろん見よう。最後にもう一度イッツアスモールワールドに乗っても良い?

4度目の乗船、
聖ちゃんは相当気に入った様子だ。
音楽に合わせて一緒に歌っていたり、
首を揺らして気分良さそうなのがこうも伝わってくるのもなかなかない。
またリニューアルしてから隠しキャラクターが多くいると聞いて一生懸命に探す姿も僕からしたら可愛くて仕方なかった。

そして夜のパレードは聖ちゃんがどうしても見たいと言っていたものだ。
ミッキーやミニーが観れるのはもちろんだけど、
彼女は真っ暗の中に光るライト、それに奏でられて踊るキャラクターと音楽が小さい頃から大好きなんだと教えてくれた。
「何年も来てなくて久しぶりに来れて良かった、ありがとう!」
閉園間近に聖ちゃんは僕に言った。
ーーー僕の方こそ連れてきてくれてありがとう。

*

ランドを後にして駅の方に向かう聖ちゃん、
僕は彼女を止めて一言伝えた。
「ーーー実はホテルを取ってあるんです。」
「えっ?」
「遅くなると疲れると思ったから・・・」
「ありがとう。」
そう言った聖ちゃん、
今にも泣きそうな顔をしていた。

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