【 中学聖日記_妄想 】#28. こみ上げる想い*

中学聖日記_妄想

僕はそっと起こさないようにいつも聖ちゃんが寝る布団に潜り込んだーーー。
左右の場所が変わっただけなのに、
なぜかすごく緊張してなかなか眠りにつけない。
それに追い打ちをかけるように突然聖ちゃんが僕の方に寝返りをして抱き付いてきたーーー。
起きてるのかと疑ったけど、
スヤスヤと眠ってる。
彼女の中で抱き枕として扱われているようだった。

*

聖
えっ!?なんで!?

気がつけば眠りについていた僕は聖ちゃんの驚いた声と僕に抱きついていた体を離そうとするので目が覚めた。
僕から離れようとする聖ちゃんを僕は静止して力強く抱きしめ胸の中にすっぽりと埋めた。

昌
ーーーもう少しこのまま寝かせて下さい。

聖ちゃんは何かモジモジとしていたけど、
何を言うわけもなく僕が起きるまでそのままの状態でいてくれた。

聖
どうして?いつ帰ってきたの?

僕が目覚めたのを確認するとベットから起き上がることもなく二人で朝日を浴びながら横たわり会話が始まった。
驚きを隠せない聖ちゃんから少し気まずそうな表情も見られた。

昌
母さんといるより聖ちゃんといた方が楽しいと思って帰ってきたんだ。

嘘をついた、母さんに話したことは伏せておきたくて。
「ーーーそうなんだ。」
「寂しかったですか?」
僕は少しからかうように問い掛けた。
聖ちゃんは黙って、そしてハッとしたように枕元にあったハチマキを探して見つけたことに安堵の表情を見せた。
単なるハチマキがそんなに大切なの?、とは思った。

聖
寂しかったよ。黒岩くんと暮らし始めてまだ半年だけど、一緒にいることに慣れてしまって逆に黒岩くんが隣にいないのが想像出来なくなってる。だからーー、ごめんね勝手に部屋着も借りちゃうし。

「それは別に良いんですけど、むしろ僕は嬉しいです(笑)」

聖
黒岩くんを少しでも感じていたくて部屋着から匂う黒岩くんの匂い、布団から感じる黒岩くんの温もり。全てが愛しくて、こんなにも黒岩くんに恋してるんだって自分で改めて感じた。ーーー本当にどうかしてると思う。

珍しく真面目に答える聖ちゃんに僕は驚いた。
通常、はぐらかされて終わってしまうことが多いからこその驚きだった。

昌
ーー僕、聖ちゃんから離れませんよ。絶対に。聖ちゃんが僕をもう嫌だと言っても僕は離れませんよ。

僕は聖ちゃんを強く抱きしめてーーー、
ある提案をした。

*

昌
ーーー結婚式はまだ先でも良い。だけど、せめて入籍だけ・・・次の聖ちゃんのお誕生日に入籍しませんか?聖ちゃんと夫婦になりたいです。

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