【 わたしの好きなひと 】#27. 覚悟を決める時*

わたしの好きなひと。

#27.

卒業してから私は引っ越しの準備を始めた。
洋服などの断捨離などをして、
必要なものだけを持って行くーーー。
毎日ちょくちょく運ぶ、
たったそれだけのことが本当に幸せだった。

そして3月中旬、
私は星ちゃんと一緒に暮らすアパートに引っ越した。
決して広くはない2LDKだけど二人暮らしには十分の広さ、
そして星ちゃんの勤務地である水道橋と私の大学のあるお茶の水の立地を考えてお茶の水の郊外にあるアパートを選んだ。
「ーーーこれからよろしくね。」
「こちらこそよろしく。」
3月に入ってから内定先の会社で先立ってアメフトチームに入ってる星ちゃんは昼休みに抜けて帰ってきてくれた。
「お兄ちゃんが夜ご飯食べに行こうって言ってた。」
「あー、さっき会って聞いたよ。7時に水道橋って言ってたっけ?1人で来れる?(笑)」
お兄ちゃんも一緒にチームに参加してるからきっと一緒に来るんだろう。
「行けますとも(笑)」
「ーーー片付けとか手伝えなくてごめんな。後で会おうな!」
意外と律儀な星ちゃんは私が残された片付けを1人ですることを申し訳なく思ってた。
そんなこと思うこと無いーーー、
私はただ少しの時間だけでも昼休みの合間に会いにきてくれたことが本当に本当に嬉しかった。

「・・・大丈夫?」
「・・・ZZZ 」
そして今、私たちはお兄ちゃんとの夕飯から帰宅したばかり。
未来さんも来て4人で高校生活のこと、大学のことやアメフトのこと、未来さんの仕事の話など募る話をたくさんした。
ーーーそのせいもあり、星ちゃんは珍しく酔い潰れた。
一駅とはいえ星ちゃんを抱える自信はなかったからタクシーで戻り、今寝室に運んだところ。
ほとんど意識なく、ベットにドスって音がしても痛みも感じないようで話しかけても吐息だけが聞こえる。
練習の後にお酒・・・
疲れてるしそりゃ眠くなるよね・・・。
ほっぺを触っても何しても起きない、
諦めた私はリビングに移動してしばらくバイト探しをしていたーーー。

どんな働き口が良いかなぁ。
あまり動くのだと学業もあるし疲れるよなぁ。
「ーーーこれ良いかも。」
ふと目についたのは駅近くにあるカフェ店員だ。
まだ出来たばかりのカフェらしくて、
ワッフルやクレープを専門にしているお店。
甘党の私にはもってこいのバイト。
ーーー迷うことなくすぐに応募ボタンを押した。
その瞬間に、ガチャっと扉が開く音がして星ちゃんが起きて来たと私は彼に近寄った。
「大丈夫ーー?」
「・・・頭いてぇ、飲みすぎた・・・」
私を見ると星ちゃんはもたれ掛かるように私の肩に顎を乗せてだるそうに言った。
でもーーー、
私はまるでそんな体制が抱き締められているように、
彼に包み込まれているように感じてドキドキが止まらなかった。
「ーーー久しぶりの飲酒で楽しかったんだよね。」
「ごめん、失態だったな。ルナの引っ越し祝いだったはずなのに。今、何時?」
「ーーー0時過ぎだよ。明日も練習に参加するの?」
「明日は流石に休むーーー。」
「ねぇ、星ちゃん。」
「ん?」
「キスしても良い?」
まだ完全に酔いが抜けてない彼の紅い頬、
そしていつも以上にキラキラ潤う瞳を見ていたら星ちゃんに触れたいという気持ちが強くなって我慢できなくなってしまった。
「えっ・・・?」
でも星ちゃんは突然のことで若干引いてる顔した。
「なーんてね(笑)ーーーお風呂入れる?入るでしょ?」
やばいと思った私は話を逸らした。
「るな。」
でも星ちゃんはお風呂に向かおうとした私の腕を引っ張り唇を奪った。
「ーーー酒臭えだろ?笑」
「ーーーくさい(笑)」
「だから嫌だったのに・・・煽ったのはルナだからな。」
どこかの雑誌で読んだことがある。
お酒を飲んだ日は性欲が強くなると。
今の彼はそうなのかもしれない。

真顔でーーー、
私を見つめる。
私の頬に軽く手を添えて唇を奪った。
私も彼を受け入れて目を瞑った。
角度を変えて何度も何度も唇を重ね合わせた。
優しいキスから少しずつ口の中に彼の温度を感じる。
「ルナ・・・たぶん今日の俺は我慢できない。覚悟してもらえるか?」
また苦しそうな顔をしたーーー。
多分一杯一杯我慢して来たんだよね。
今度は私から彼に唇を重ねた。
ーーー覚悟してるよ、の返事の代わりとして。

 

次回はついに結ばれることになります!
多分(笑)
なのでブログは引っかかってしまうと思いますので、
パスワードをつけさせてもらいますね!
まだこのブログでパスをつけるか他ブログでパスつけるか検討中ですが・・・
またお知らせできたらと思います!

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