それからしばらく僕は相変わらずの多忙の日々が続いた。
だけどここ最近思うこともあるーーー。
僕が入院してしまった大喧嘩の日をきっかけに、
僕と聖ちゃんは今までよりもっと心が寄り添えている気がする。
いつもどこが気を使っていた聖ちゃん、
そしてそれに気が付きながらも仕事の忙しさを理由に気がつかない振りをしていた僕。
ここ最近感じるのは聖ちゃんからの心の近い距離。
この心地よい距離感を本当は僕は求めていたんだ、とここ最近はずーと実感している。
*

こんなこと前の聖ちゃんだったら僕に絶対に言わなかったと思う。

怒られてるのに嬉しい僕はどうかしてるとも思うけど、
すごくすごく今はそれが嬉しい。



ムスッとしてる聖ちゃんが逆に可愛く思う。

聖ちゃんは「意味わかんない(笑)」と1人で呟いていたけど僕はそんな彼女を残してリビングで楽しそうにじゃれ合ってる子供たちを呼びに向かった。
もう子供たちも10ヶ月になる、
僕たち両親の伝えたいことを伝えるとある程度理解はしてくれるようになってると思う。
特に澪は食いしん坊だから「ご飯にしようかー!」なんて伝えたらニコニコしながらまだまだ小さい体でよちよち歩いてくる、その姿がたまらなく可愛い。
男の子と女の子を育てていて感じたことがある。
あくまでも澪と潤の場合だけどーーー。
男の子はやっぱり運動能力が優れている、
7ヶ月でスタスタ歩き出した潤。
だけど10ヶ月になった今、言葉の発達に関しては澪の方が上だ。
「パパ・ママ」しかまだ潤は言えないからまだまだ泣くことも多い。
一方で澪は10ヶ月に入る前に歩き出したーーー。
聖ちゃんが知り合った子供たちの中では早い方らしいけどまだヨチヨチしていて安定はしていない。
潤と逆で澪は言葉の発達がすごい。
ある程度僕たちの言ってることを理解しているし、
自分が言いたいことを単語ではあるけど必死に伝えようとしている。
意思疎通が出来なくて泣くことの多い潤に対して、
まだ歩き出しに対して不安が多い澪は転ぶことも多くてそれで泣くことが多い。
聖ちゃんはそんな2人を見ていつも笑っている。
ーーー10ヶ月も子育てをしていたら、きっと肝についてくるのかな。
*

僕が澪と潤にご飯をあげていると台所から戻ってきた聖ちゃんが問いかけて来た。
ーーー僕も1歳のお誕生日は自宅じゃなくてどこかでお祝いしたいと思っていたから大賛成だ。


ーーー有無を言わず大賛成だ。
いつか聖ちゃんと行った時、
子供を連れてまた来たいと思ったのを今でも鮮明に覚えている。
ーーーそれが子供たちの1歳のお誕生日に叶うなんて感無量だ。
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