聖ちゃんが眠ってるのを確認しながら僕は自分のスケジュール帳を見たーーー。
まず花火大会、
それが終わったら真剣に結婚式の準備に入ろうと誓った。
*
僕が目を冷ますともちろんそこに聖ちゃんの姿はなかった。
だけど何も着ないで寝たはずの僕の上にブランケットがかかっていることに聖ちゃんの優しさを感じた。
僕が眠そうに寝室から聖ちゃんに声かけたら、持っていたボウルを今にも落としそうに驚いた顔で問いかけてきた。
確かに僕は朝弱いし、いつも聖ちゃんに頼ってばかりだけど「そんなに驚かなくても」、っと少しだけ凹んだ。
聖ちゃんは僕にニコッと笑いかけて、お弁当作りに戻った。
顔を洗いながら僕はトントントンと聞こえる包丁の音に心地良さを覚えたーーー。
そして目をつぶりその音とともに心を落ち着かせる。
昨日のことを思い出しながら、
幸せの余韻に浸ってーーー。
そして目を開けて顔を洗おうとした時に気づいてしまった。
僕の首元にーーー、
小さな本当に小さなキスマークが付いていることに。
犯人は1人しかいない。
昨日の夜には絶対なかったこのマーク、
いつ付けたんだろう。
よくキスマークは相手を束縛したい時にすると耳にする。
僕はいつも聖ちゃんの気持ちが不安で、何を考えてるのか分からない時があったけどーーー。
僕と同じくらいに彼女も僕を想ってくれていると信じても良いのだろうか。
僕は慌てて台所に行って、驚く彼女を強く抱きしめた。
ーーーちょうどお弁当と朝食を作り終わったところだったみたいだ。
自信満々に僕が尋ねると彼女は俯いて恥ずかしそうに言った。
そして本当に本当に珍しく、聖ちゃんから僕にキスをしてくれたんだーーー。
明日季節外れの雪が降るんではないか、
そんなことを思いながら僕はもう嬉しくて仕方なかった。
誘ってるのかと思いそれに応えようとしたのにーー。
と言われ僕の小さな期待は崩れ落ちた。
*
そうこうしている間に澪と潤が順番に起き出した。
僕は平日はほとんど育児を手伝えないけど、
唯一朝起きた時だけのオムツ替えだけは僕の当番になっている。
これも1人ずつ順番に。
そしてミルクを飲んで少しだけ遊んだら僕はいつも出社だーー。
今日は本当に行きたくなかった、
子供達じゃなく聖ちゃんと離れたくなかった。
もちろん子供達は可愛いし愛しい、
だけどやっぱりまだ僕の中の1番は聖ちゃんなんだと思う。
その1番がいつか変わる時が来るのだろうか、
そう思うと少しだけ寂しくなった。
いつも見送りは聖ちゃんだけ、子供達はおもちゃで遊んでる時間だ。
僕は昨日のことが怖くてキスするタイミングを計ってると聖ちゃんがしてくれた。
僕は彼女を力強く抱きしめて・・・
そう伝えて会社に向かった。
ーーー僕の頭は今夜も彼女を抱く、
それしかなかった。
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