【 中学聖日記_妄想 】#58. 3年目に突入*

中学聖日記_妄想

季節は変わり4月を迎え、僕は社会人3年目に入った。
僕の会社は入社3年目の人が新入社員研修の担当をすることになっているが、
僕は聖ちゃんが出産を控えているという上司の計らいで免除されることになった。

肝心の聖ちゃんは妊娠8ヶ月に入り、
お腹もかなり大きくなり動くのも精一杯な感じだった。
夜中に足が吊って起きてしまったり、
胎動の激しさでお腹の痛みで起きてしまうこともあって深く眠れないと言っていた。
そのこともあり週末は出かけるよりも自宅で過ごすことが増えたーーー。
そして胎動を確認したあの日から僕は起床時と就寝時、
どんなに遅くなってもお腹の中の子供たちに話しかけることが日課となった。
聖ちゃんはそんな僕を見て笑っているけど、
僕はその時間がとても幸せなんだ。
聖ちゃんがいて僕たちの子がお腹にいて、
そして僕がいて楽しく笑いあってるこの光景がとても大好きなんだ。

*

聖
今日は何時頃帰って来るの?

聖ちゃんは僕が出るとき、必ず聞いてくるようになった。
最初は寂しいのかな、なんて自惚れていたんだけどどうやらそうではないらしくてただ時間を把握しておきたいらしいということを知ったとき、僕は少しだけ寂しかった。

昌
多分今日は19時過ぎには会社を出れる予定、また残業になりそうなら連絡入れます。

いつもの会話をして僕は会社に向かったーーー。

現実に引き戻されるように息も付く間もないくらいの忙しさから始まり、
気づけばもうお昼。
デスクでお弁当を開いて僕は驚きと嬉しさをあらわにしていたと思う。
「お誕生日おめでとう!」
というメッセージが添えてあったから。

そっかーー・・・
すっかり忘れていたけど、僕はもう25歳になったんだ。
15歳の僕が聖ちゃんに恋をした年齢になった。
ーーー遠かった。
ずーと早く大人になりたい、
聖ちゃんと同じ25歳になりたいと思っていたけど遠かった。
ーーーでもやっとあの時の聖ちゃんに追いつけた気がした。

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