【 中学聖日記_妄想 】#24. 辛い告白*

中学聖日記_妄想
聖
わたしーーー、黒岩君のこと好きだよ。あの花火のプロポーズ、すごく嬉しかったよ、それは本当なの。

前触れもなく突然聖ちゃんは話し出した。

聖
黒岩くんが言うみたいに勝太郎さんに未練があるわけじゃないの。でもね、黒岩くんを好きになって婚約解消してーーー。そんな私が幸せになっても良いのかなって、黒岩くんの隣にいても良いのかなって思う時があるの。同じことが自分にも起こるんじゃないか、いつか黒岩くんに愛想尽かされるんじゃないかなって思う時があって。だから今日の岩崎さんとのことを見て・・・それが例え事故だったとしても納得してしまった自分がいるの。
昌
オレはーーー!!ずーと聖ちゃんが好きでこれからもずーと聖ちゃんしか見えなくて。だから聖ちゃんがクヨクヨ悩んだり1人で抱え込むのは本当にくだらないと思うんです。好きな人に対して不安を抱えるのは聖ちゃんだけじゃない、僕だって一緒です!だからこそ共有して支え合うんじゃないんですか?それが結婚するってことだと僕は思います。
聖
ーーー黒岩くんはこんな私で後悔しないの?
昌
しません!僕は聖ちゃんが良い!まんまの聖ちゃんが好きだから!

「ーーーありがとう。」
「離れるとか考えたりしてませんよね?」
「何言ってるの?してるわけないよ。やーーと黒岩くんと一緒に居られるのに今度手放したら永遠に会えなくなっちゃうよ(笑)」
安心した僕は腕をテーブルに降ろし、
良かった・・とホッと一息ついた。

でも聖ちゃんが本当に伝えたかったのはこの先のことだったーー。

聖
ーーーもう1つ大切な話があるの。ずっと話そうと思ってて残業とかで会えなかったりでて・・・

「何ですか?」
何でも来いとドンと構えて僕は余裕かまして聖ちゃんに応対したが彼女は涙を浮かべながらあるノートを見せて来た。
「えっ?ーーーこれって・・・」
「ずーと体調が悪くてね、病院に行ったらね、8wだったの。」
「本当ですか?!ほんとに?」
でも聖ちゃんは浮かない様子をしていたーー。
「ーーー本当。でもその時に心拍が確認出来なくてね。そしたら昨日の夜中にね出血しちゃって・・・さっき仕事の帰りに病院に行って来て・・・もういなかった。」
「そんな・・・」
「この前まであった赤ちゃんのがね、いなかったの・・・ゴメンね、黒岩くん。黒岩くんとの赤ちゃんは確かに存在していたのにゴメンね・・」
聖ちゃんはそう言って椅子に座りながら泣き崩れた。

僕はーーー、
やりきれない思いで彼女をそっと抱きしめたーー。
まるで小さい子をあやすように、
嗚咽を鳴らしながら泣く彼女をひたすら抱きしめた。
ーーー同時に自分の目からも涙がこぼれ落ちた。

*

「ーーーこんな姿見せてゴメン。」
僕は聖ちゃんが落ち着くまでとにかく彼女の背中をさすり続けた。
「僕の方こそ聖ちゃんが辛い時に意地を張ってしまっててすいませんでした」
ーーーそんな僕の言葉を聞いて聖ちゃんはクスッと微笑を浮かべて言った。

聖
側にいてくれてありがとう。

その言葉だけで僕は泣きそうになった。
一番辛いのは聖ちゃんなはずなのに、
なんでこんな時にでさえも僕のことを気遣うのか。
僕はもう一度ぎゅっと彼女のことを強く抱きしめた。

昌
ーーーぼく、聖ちゃんのことすごく好きで、好きって言葉だけでは足らないくらいに愛してます。ただ好きなだけじゃダメだって分かってるけど、やっぱり僕には好きって気持ちは大切で、聖ちゃんに対するこの気持ちはずーと大切で。必ず僕が幸せにしますから!

「ーーー良かった。実はねちょっと不安だったの」
「不安?何がですか?」

聖
出会った頃の黒岩くんはまだ自分の気持ちにまっすぐでだからこそ危うくてまだ子供で、でも正面にぶつかってきてくれるその姿もすごく好きだった。再会した黒岩くんはどこか寂しげで感情を押し殺していると感じることもあってそれは今も変わらなくて。だから私に対しての気持ちが本当は自分でも分からなくなってるんじゃないかなって思ったり。好きって言われることがなくて寂しくて不安だったんだ(笑)わたし・・・どうかしてる。
昌
僕は聖ちゃんに対する気持ちに嘘はないです!それは9年前の時から変わらなくて、むしろもっと好きで。
聖
こんなに近くにいるのに愛されてると分かるのに、もっともっと黒岩くんを求めてしまうの。ーーーだから岩崎さんとのことがたとえ無理やりだったとしてもやっぱり頭から離れないの。

「聖ちゃん・・」
僕は彼女に軽くキスを落としたーーー。
いつものように理性をぶっ飛ばして唇を奪うことも出来たけどきっと今の彼女はそれを望んでない。
ーーーそれにそれをしてしまったら、
その先の情事に自分自身の歯止めが効かなくなることを知ってるから。
それはきっと今の聖ちゃんにとっては一番辛いと思ったから僕は必死で理性を抑えた。

聖
ーーーだからお願い、岩崎さんとちゃんと話し合って来て?

「えっ?僕はもう岩崎と会うつもりはありません」

聖
岩崎さんもただ黒岩くんを好きになって、叶わなかった恋に必死にしがみついている。そんな気がするの。納得してないからこそしがみつく、だからちゃんと話し合ってお互い納得して離れて欲しいの。岩崎さんのことで不安になる自分も嫌なの・・嫉妬で醜くなる自分を黒岩くんにも見せたくない。ーーー私待ってるから、信じて待ってるから。

そう言って彼女は僕に強く抱きついた。

その夜、
聖ちゃんの言うように僕は岩崎に連絡を取った。

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