既に彼女が待っていた待ち合わせの場所に横並びする自分。
何を話したら良いのか分からない気まずい雰囲気。
それを察して言葉を濁す聖ちゃん。
この神社に来るまでにも緊張で汗ばむ自分がいた。
ーーーまた離れ離れになったらどうしようか。
やっと誰にも反対されることなく堂々と付き合えるのに。

聖
黒岩くん、わたしね。日本に帰って来ようと思うの、やっぱり私は黒岩くんの隣にいたい。
オレの不安と緊張を消し去るようーーー、聖ちゃんは確かにそう言った。

昌
でも先生は?オレのせいでまた・・

聖
それは違うよ。前にも話したけど自分の選択を私は後悔したくない。先生という職業は確かに好きだけど思う存分楽しめた、今はやっぱり黒岩くんの側で一緒に笑い合っていたい。
ぼくは聖ちゃんを抱きしめた、強く強くーーー。
彼女の細い骨が折れるんじゃないかというくらいに。
タイに残ると言われたら、それがいつまで続くのか不安だった。
タイに追いやる形を作ったのは僕だから何も言えなかった。
だから、嬉しかった。
聖ちゃんのその選択が。
ぼくを選んでくれたその選択が。

昌
オレも側にいたいです。
ーーー今度こそ。
今度こそ・・・聖ちゃんの側にいたい。この先もずっと・・。
ーーー今度こそ。
今度こそ・・・聖ちゃんの側にいたい。この先もずっと・・。
そしてぼく達は軽いキスを交わした。
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