1.
ーーー眩しい。
春の涼しさが去り、少しずつ夏に変わろうとしているこの季節。
もうすぐ梅雨がやってくるのだろう、
その前の照り具合が眩しくて空を見上げる。
うん、今日も良い青空をしているーーー。
大きく空に伸びをして今日も頑張ろうと気合を入れる。
今日も体育館は賑わっている。
まだチャイムも鳴ってないのに朝から黄色い悲鳴を上げる人たち、
その中でも朝練を頑張ってる人たちーー・・。
広瀬 樹先輩、
おそらくほとんどの女子が悲鳴をあげている相手。
私の2つ上の三年生、
秋の試合で引退と言われているーーー。
バスケ部のキャプテンで、容姿堪能。
だけど無口で近寄りがたい雰囲気を持つ人・・・。
ーーー私が知ってる彼の情報はこれだけ。
何も知らない私だけど、
バスケしている時の彼はとても生き生きしてて楽しそうに笑い綺麗にボールをさばく。
それを知ってるから、
密かに私も憧れを抱いている。
まぁ接点も何もない私が先輩と絡み合うことなんてないとは思うけど。
ただ先輩のバスケを見ていると、
私もスケートを頑張ろうと前向きになれる。
今日もスケート靴の入った大きなカバンを持って気合を入れてバイトに向かった。
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