【 君がいる場所 】#35. 愛を感じる今*

君がいる場所

#35.

先輩と復縁して3ヶ月ーーー、
毎日が不安だった高校時代とは違い、
今は先輩に会えるために成長していたい自分でいたいと思うようになっている。
ーーー多分それはきっと、先輩からの愛情を凄く受け取ることが出来ているからだと思う。

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好きーーー・・・・。
言葉にされているわけではない、
だけど先輩から送られてくる言葉だったり仕草で・・・
高校時代には感じることが出来なかった愛情を凄く感じることが出来ている。
愛されるってこんなに幸せなことなんだ、そう噛みしめている。

「先輩」
「何だ?」
「・・・好きです」
「・・・知ってる。」
私は仕草も大事だけど言葉も大事だと思ってて、それを先輩にいつも伝えている。
だけど先輩の答えは相変わらずの淡白ーーー。
大丈夫、それでも先輩は前とは違うからっていう自信はある。
「ーーーなんだ?」
今度は先輩の腕にギュッと自分の体を絡めた、それに驚く先輩。
ーーー先輩も女性になれていないのがここ最近凄く分かる。
そんな先輩が可愛くて愛しくて、ヤバい好きだと思う。
片思いも両思いもつらかった高校時代、今は凄く幸せに感じるーーー。
先輩が大好き・・・ーーー。
「ううん、ただ離れたくないからギュってした。」
でも拒否するわけでもなく苦笑いはしているけどまんざらでもない様子。
だから私はもっと強く抱き着くーーー。

奥手な私たちだからキスもまだで、
もちろんその先もまだ・・・。
「高校の時、安易に柊とキスをして失敗したと思ってる。・・・今回はもっと慎重に進みたい。」
意外と大胆な私は復縁してすぐに先輩にキスを求めた、
その時に拒否されて言われたひとことで私は何も言えなくなった・・・。
だって先輩の言ってることも分かるもん。
それに・・・凄く大切にされているってことでしょ?
私の告白に流されてキスした高校時代とは違って、
今は真剣に向き合ってくれているのが分かって拒否されたのに嬉しかったのを今でも覚えている。

「大切にされているんじゃなくて、したいと思われていないんじゃない?」
双葉はそういうけど、私はそうは思わないーーー。
須永君と双葉は付き合ってすぐに色々とゴールしちゃったみたいだけど、
私は先輩と同じ考えでゆっくりでいいと思うし、それぞれのペースがあると思っている。
だから先輩が私を女性として見てないなんてことは今の段階では絶対にない。

「それよりも卒業旅行の話をしようよ!!!」
今日私たちがこうして会っているのは先輩の話をするためじゃなくて、
卒業旅行について話し合うためだった。
本当は色々と年が明ける前に話し合いたかったけど誰の都合もつかなくて結局今に至る。
海外は金銭的にも厳しいと言うことで、国内ののんびりできる温泉でも行きたいねって話をしているところ。
双葉はもちろん環も須永くんも一緒に行くーーー。
大学の別の友達と行けばいいんだけど、私は4年から編入だからまずはこのメンバーで行くことを決めた。
きっと環はまた別で大学の友達と行くんじゃないかな、
そして双葉や須永くんもそれぞれの大学の友達と一緒にまた別で卒業旅行に行くんだと思う。

「ーーーこのメンバーだったら正樹先輩や樹先輩も誘えるんじゃないか?都合が合えばだけど・・・」
須永くんの提案に私と環は顔を見合わせて、それぞれが携帯を取り出してその提案を正樹先輩と樹先輩に連絡した。
「そうとなったら日程だよね!先輩たちが行けるとなると週末を挟んだ方が良いよね。」
先輩たちから返事も来ていないのに私たちは彼らが来る前提で日程を話し合った。
結局どんなに話し合っても日程が分からないからと言うことで、
先輩たちが仕事終わるのを待って合流してもらうことにした。
私からしたら約束もしてなかったのに突然会えることになってラッキーだって思った。

「2月に行こうと思っているんですけど、今予約取れるのが下旬で・・・最悪、卒業式が終わってからでもいいかなとは思っています。」
女子に反してテキパキと話を進めている須永くん、
社会人になっても幹事とか向いてそうだなと思った。
「2下旬だと遠征になってて、俺的には3月だと助かる。」
「環ちゃん1人になるのも可哀想だし、3月の方向で進めるコト出来るか?」
環ちゃん、ね・・・。
付き合ってから唯一気になっていることは呼び方だ。
環のことは環ちゃんと呼んで、私のことはいまだに柊だ。
すぐに名前の花で呼んでくれると期待していたけど、見事に外れてしまった。
ーーーだから私もなんとなくいまだに先輩って呼んでいる。
「もちろん、大丈夫です。じゃあ・・・3月2週目の金曜夜出発の日曜夜に帰ってくるのはどうっすか?」
「ーーーよろしく。」
正直に言えば先輩たちを差し置いて私たちだけの旅行もきっと楽しいんだと思うけど、
須永くん的には男性1人が嫌なんだろうなって思った。

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お開きをしたのは22時を過ぎた時刻、
すっかり社会人の先輩方にご馳走になってしまったーーー。
「ーーー家まで送るよ。」
それぞれが別々の方向に向かい、私と樹先輩は駅まで歩くーーー。
「大丈夫、だって先輩の家、歩いて帰れるでしょ?」
ーーー先輩たちが来れやすいようにと、会社の近くで待ってた私たち。
見事に祖母の家からは遠くなってしまったけど、それでも会える方を優先した私に迷いはなかった。
「俺は歩いて帰れるけど、柊は電車乗り継ぐだろ?金曜だし、今の時間混んでると思うぞ・・・」
確かに金曜日は飲んで帰ってくる人も多いだろうし混んでいる時間帯かもしれない。
「ならタクシーで・・・」
「ーーー俺の家、来るか?」
タクシーで帰ろうかなと先輩に伝えようとしたらまさかのお誘いに驚いた。
「え!?」
「あっ・・・変な意味じゃない。明日もどうせ会うんだし、夜も遅いんだから泊まっても良いよって話。」
ーーー分かっているさ、変な意味がない事くらい。
そうだよね、明日は一緒に映画に行く約束をしていて・・・。
朝から出かける予定だし、それだったらお言葉に甘えてしまった方がいいのかもしれないと思った。
「おばあちゃんに泊まることだけ連絡しても良いですか?」
先輩は有無を言わず頷いて、私は祖母に外泊することを伝えた。

先輩と復縁した時に、
これまでの経緯を祖母には全部伝えたーーー。
祖母と言っても女同士だし、
何かあった時に相談できるかなと思って。
だから私は先輩の家に泊まることも包み隠さず祖母に話した。
「楽しい時間を過ごしておいで。」
祖母はそう言って私を受け入れてくれた。
おばあちゃんの教えとして、
人を好きになったら全力で尽くせ。
だからーーー。

よくお母さんも言ってた。
お父さんはお母さんの初恋の人だったのって。
そんな人が恋人になって旦那さんになってこれ以上に幸せなことはないのよ。
だからお母さんはお父さんを一生全力で愛するのってよく言ってた。
ーーーでも母から聞いたことで何か大事なことを忘れている気がするの。
お兄ちゃんに聞いても、
おばあちゃんに聞いても分からないと言われてはぐらかされている気がする大事なこと。
ーーー気のせいかもしれないから気にはしていないけど、
母が父を愛したように私も全力で先輩を愛したい。

横に気持ちよさそうに眠る先輩の姿を眺めながら、
母を思い出し、父を思い出し、
先輩を愛しく思っていた。
ーーーそんな幸せな夜だった。

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