【 君がいる場所 】#07. これが恋なんだ・・・*

君がいる場所

#07.

月曜日、火曜日、水曜日と過ぎ・・・
私は名前も知らない男の子に呼び出された。

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「入学式の時から可愛いと思ってたんだ。好きな人がいないなら付き合って欲しい。」
人生初めてとも言える愛の告白だったーーー。
彼の名前は村上 悠、隣のクラスに在籍しているって言ってた。
そして野球部らしく坊主頭だった。
「ごめんなさい、村上君のことをよく知らないのに付き合えない・・・」
間違った答えはしていないと思う。
「好きなやついるの?」
好きな人・・・?
「好きな人は・・・多分いないけど。」
「多分って何それ(笑)」
「ごめん(笑)」
初対面の人と話が続くわけもなく、若干気まずいまま私たちはお互いの教室に戻った。

「ねぇ、好きってどんな感情?」
「はっ!?」
昼休み、私は環に問いかけてみた。
「いや、興味本位ね?何となく・・・」
「はな、人を好きになったことないの!?中学の時とか・・・」
「ないよ、女子中だし・・・(笑)」
「好きっていうのは、その人のことを考えるだけで幸せになったり逆に不安にもなるし、会えないだけで寂しくなるのよ。」
ーーー樹先輩のことを考えれば幸せな気分にはなるけど、
今のところ会えないからと言って不安になったり寂しさを感じたりはしてない・・・。
「そっか!なら私のは違う感情かもしれない!!ありがとう。」
「いやいや!お待ち!相手は?!誰にそんな感情を!?」
「いや、だから違うって・・・」
「違くても花の心を動かした人がいるってのは事実じゃん、誰よ(笑)」
環は興味津々だーーー、
でも樹先輩はみんなのアイドルだから今は言えない・・・。
「ゴメンね、はっきり分かったら言うね。」
「仕方ないなぁ、気長に待ってるよ(笑)」

そして日曜日を迎え、私はいつものように寝て過ごしたーーー。
やっと体を起こしたのも昼過ぎのこと、
冷蔵庫の食材が空っぽ状態だから買い出しに行こう、
そう思ったから。

1人の週末はいつも思うーーー。
クラスのみんなはケンカしてても家族の輪の中で過ごしている、
孤独なんて感じることはないんだろうな、って。
自分で選んだ道だけど毎日バイトばかりして誰とも話さない日もあって、
こんな孤独を感じる人がこの世から少しでも消えればよいのに、と正直に感じた。

スーパーに向かおうとしたわたし、
だけど春の空があまりにも綺麗で、駅とは反対方向の少し離れた大きな公園に散歩に行こうと決めた。
1つの夢があるーーー。
もしいつか初めての彼氏が出来たら、この公園でデートをしたいという小さな夢が。
4つの入り口があり、私は北門というところから入った。
そこは体育館に隣接している入口で上を見ればエイヤーと若い子たちの声が聞こえる、きっと剣道だと思う。
少し歩けば野球のグランド、ここも小学生の親御さんたちで賑わっている。
その先にある遊具広場は幼児の子供と親御さん、
お友達同士でレジャーシートに座って団らんしている人たちも見受けられた。
ーーー私はその人たちを横切って、さらに奥に進む。
目的はないけど、とにかく散歩をしたい。
たくさん歩いて足をリハビリしたいと思ったから散歩に来たーーー。
先に行くと大きな広場があってそこは年配の方向けの健康器具が並んでいた、
肩こりによさそうなものだったり腹筋を手伝うものーーー。
興味はあったけど一人でやる勇気がなくて、目をつぶった。

そして見つけた・・・
バスケットコート。
前に先輩と駅で会ったときに、友達とやってたって言ってたバスケット。
もしかしたらこの公園にあるのかもしれないという半信半疑の気持ちで今日来たのもあるーーー。
大きなコートの中に4つに分かれている、
各々の場所にゴールも設置されている。
1つは私たちより明らかに年上の人たちの集まり、
もう一つは大学生くらいの集まりの男女で埋まってる・・・。
「・・・先輩・・・?」
そして人だかりのあるもう一つのグループを見てみると、樹先輩が見えたような気がした。
遠くてあまり分からないけど、何となく背格好とか似ている気がする。
正樹先輩も一緒にいるような・・、そんな気がする。
そのグループは男女合わせて6人いて、すごい楽しそうにバスケをしている。
1人がゴールすれば和気あいあいに抱き合って喜びを共有している。
ーーーその姿を見ては胸がズキンと痛んだ。
私は先輩だという確証もないのに胸が苦しくなり、その場を去ったーーー。

自分で何をしに来たのか分からない・・・・
先輩に会いたいと思ったのか?
バスケコートの有無を確かめたかっただけなの?
ても・・・一つだけ分かったことがある。
わたし、先輩のことが好きなんだ。

入学して1ヶ月半、
期間も親密さも何も関係ない。
好きになってしまったものは仕方ないーーー。
先輩が私を恋愛対象としてみてないのは明らかに分かっている。
私と出かけてくれたのも足のことを笑ってしまったから。
須永君とみんなでご飯に行ったのも須永君のことを思ったから。
連絡先交換も・・・須永君のため。
見ていれば分かる、正義感の強い人だってことは。
ーーー期待してはだめ、
望んでもダメ。
だからこの気持ちに封印しよう、そう決めたんだ。

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